地域猫活動とは?
地域の猫トラブルを解決するために
「飼い主のいない猫」かわいそうだから何とかしてあげたいと思っている人がいる一方、「飼い主のいない猫」は迷惑だと思う人もたくさんいます。地域には、猫が好きな人、そうでない人、無関心な人、様々な人が住んでいます。
お腹のすいたかわいそうな猫にエサをあげることはその場しのぎの悪なのでしょうか?では、エサをあげないことで地域の野良猫問題が解決するのでしょうか?...。
猫は1度の交尾で100%妊娠し、年2~3回出産し、1回に4~5匹産みます。
たとえ今いる猫たちを駆除しても、必ずまた別の猫がやって来ます。
そこで、ルールを決めてこれ以上望まれない命は作らない、作らせない。今いる猫の命を一代限りで全うさせるための地域ぐるみの取り組みが「地域猫活動」なのです。
猫と地域の共生を目指す「地域猫活動」ですが、活動が、ただの「エサやり」になってしまうと、地域にまた新たな問題を起こしてしまうことになりかねません。将来的に飼い主のいない猫を減らしていくため地域の「管理と理解」がなくてはならない活動なのです。
どうして「地域猫活動」がいいの?
【野良猫を苦手と感じる人】
- 家の回りや敷地内にフンやオシッコをされる
- 敷地内に猫が住みついて困る
- さかりやケンカの鳴き声がうるさい
- 餌をあげる人のマナーが悪い ⇒野良猫はいない方がいい
【野良猫を助けたいと感じる人】
- お腹を空かせてかわいそう
- 飼いたいけど飼えない
- 猫を餌を与えているだけで文句を言われる
- 猫が外で暮らすのはかわいそう ⇒かわいそうな野良猫はいない方がいい
両者の共通意識それは「野良猫はいない方がいい」なのです。
そこでこの問題を地域の問題として捉え、たとえ猫だとしても「ひと」と同じ一つの命ある猫を処分、排除するのではなく、地域にお住まいの皆さんのご理解と協力の元に「地域で猫を管理しながら共生していく」それが「地域猫活動」なのです。地域猫の活動の実施には、周辺住民の理解が必要です。
TNRってなんのこと?
TNR活動とは、
- T=Trap(トラップ)捕獲すること
- N=Neuter(ニューター)不妊・去勢手術のこと
- R=Return(リターン)元の場所に戻す
「TNR」地域猫活動の核となる活動です。
不妊・去勢手術を終えた猫は、子猫を生み増やさなくなります。発情期もなくなり縄張り争いのケンカもしなくなります。ケンカをしないと、けがや病気、感染症のリスクも低くなります。そして地域猫として毎日きちんとご飯をもらい、管理され、一代限りの命を全うすることができるのです。
TNR活動を継続する地域からは次第に飼い主のいない猫たちが減っていき、飼い主さんのいる幸せな猫だけになる。
それがみんなの望んでいることなのです。
地域猫活動の具体的な活動内容
- (1)地域の飼い主がいない猫たちの不妊去勢手術を行います。
- (2)フン尿対策を行います。
- 地域猫活動地域内でフンの回収、地域の合意が得られた場所に猫用トイレを設置します。
- (3)きちんとした餌やりをします。
- 餌をあげ終えたらすぐに入れ物を片付けます。
- 餌を置きっぱなしにしません。
- (4)地域住民の理解を得ます。
- 地域猫活動の実施には、周辺住民の理解が必要です。
- 理解のないまま一方的に活動すると、「無責任にエサを与えて猫が増えて困る」「捕まえて虐待しているのではないか」と誤解され、人間同士のトラブルの原因になりかねません。
- そのため、まず地域の人々に十分に趣旨を説明し、理解を得た上で活動を行う必要があります。
- (5)美化清掃に留意します。
- 地域猫活動を始めて街が汚くなったと思われないよう今まで以上に周囲の美化につとめます。
- 捕獲の方法や捕獲器の貸出、地域猫活動の取り組み方など、ボランティアができる範囲で相談に応じます。
- 地域猫のルールは管轄する行政によってそれぞれ異なります。まずは地域の行政や、地域猫活動を行っているボランティアにご相談ください。
地域猫活動行政支援の内容
- 1.町内会役員会等での説明会の実施
- 地域猫活動に興味をお持ちの町内会・自治会からのご要望があれば、動物管理センターの職員が、役員会などに出向いて、地域猫活動及びその支援の内容について説明します。
- 2.地域猫活動支援の申請
- 町内会・自治会で地域猫活動に取り組むことを決定したら、動物管理センターに支援申請書(別紙:様式1,2)を提出します。
- ※町内会・自治会からの支援申請に基づき、動物管理センターの獣医が無料で避妊手術を行います。
- 3.地域猫活動の周知
- 回覧・ポスター等で地域の方に「地域猫活動を行うこと」をお知らせする。(1回目)
- 4.現地調査
- 町内会(役員、協力者など)で、野良猫数、エサやり場所、問題点などを確認する。そのうえで、捕獲や搬送の方法等を決定する。
- 5.手術日の周知(随時実施する場合は省略)
- 回覧・ポスター等で地域の方に捕獲日・手術日をお知らせする。(2回目)
- 6.TNR(捕獲・手術・戻す)
- 捕獲器を仕掛けて猫を捕まえセンターに搬入します。手術を行い耳先をカットした猫を元いた場所に戻します。
- 「動物の愛護及び管理に関する法律」によって愛護動物とされており、動物管理センターの職員が猫を捕獲することはできません。地域の住民で協力して行います。
- 7.管理状況の確認・周知
- 定期的にエサやり・トイレの状況、新たな猫がいないかなどを確認します。あわせて、地域の方にも活動状況を回覧などでお知らせします。
- 8.効果判定・報告
- 年度末(3月頃)に動物管理センターから送付する「地域猫活動報告書」にて、活動の状況や効果を判定し、報告してください。
以上が広島市の地域猫活動支援の流れです。※広島市のホームページより抜粋
広島市の地域猫活動のページは
※支援の内容や手順はお住まいの地域で異なります。詳細はお住まいの地域の行政までお問い合わせください。
耳先カットは地域猫のしるし。
不妊・去勢手術を終えた地域猫たちは耳先にVカットなどの印を入れています。最近では“さくらみみ”とも呼ばれています。
耳先をVカットしておけば、ひと目で手術済みとわかり、再度捕獲されてもまた麻酔を打たれて開腹されるという事が防げるのです。
「地域猫」になったからといって野良猫たちは外でのんびり暮らしているわけではありません
暑さ寒さ、病気や事故、虐待などと毎日たたかってるのです。
飼い猫の寿命が15年程に対して、野良猫の寿命はわずか3~4年しかありません。
外の世界で生き残れるいのちはわずかです。そんな辛い思いをする猫たちをこれ以上増やさないためにも、地域猫活動をあなたの街でも始めてみませんか...